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金融商品取引業者とあなた(外務員)と、お客さま(投資家・投資者)とマーケットという3者間での関係において、まずはお客さまとの関係からのポイントを学習します。

つまり、投資家保護の観点から、守るべきは(素人・アマチュアである)投資家・お客さまで、プロ側・業者側の金融商品取引業者(と外務員のあなた)にはその行為について規制がある、ということです。

投資家と金融商品取引業者



お客さま(投資家)を保護するために、金融商品取引業者のどんな行為に規制がかかっているか、ということです。

実際の試験の時は、常識的に(基本の考え方は)お客さま目線、投資家を保護するには、金融商品取引業者に勝手なこと(お客さま・投資家が損になるようなこと、不利益をこうむること)をさせないためには、どっちが正しい、という考え方で試験問題には向かってください。

最良執行義務・まずは業者自ら宣誓・宣言すること

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金融商品取引業者は、まずは(有価証券の売買等に関するお客さまからの注文において)、最良の取引条件で執行するための方針と方法(最良執行方針)を決める必要があります。

方針を(自ら)決めて、⇒ 公表して、⇒ それに従ってお客さまからの注文を執行する、というのがあります。
自社のルールを決めるのは、自社です。国や証券業協会や取引所などが決めてくれるわけではありません。

そして、実際にお客さまからの注文を受ける場合には、あらかじめ顧客に対して、その取引に係る最良執行方針等を記載した書面を交付しなければならない、のです。

これ、大丈夫ですね。分かりますよね。ポイントは、自分で決める・(しかも)公表する・(その決めた方針どおりに)注文を執行しなさい、ということです。

※この交付は、電子交付が可能です。

⇒ 練習問題

社債管理者とは? 金融商品取引業者は社債管理者になれない?

金融商品取引業者は、社債管理者(又は担保付社債信託契約の受託会社)になることは、できない。

社債管理者とは、投資家保護のために、社債発行会社が設置するように決められている者です。(会社法で決められている)
つまり、社債権者のために、社債に係る債権の弁済を受けたり社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の権限を有するようになっています。そんな会社です。・・・お客さま(投資家)側のために存在します。

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社債管理者は・・・
お客さま(投資家)VS金融商品取引業者となった時、その間に入ってお客さま側の味方になるべき存在です。

その社債管理者を金融商品取引業者が兼ねる、なんてことはできませんね。

金融商品取引業者は、社債管理者又は担保付社債信託契約の受託会社になることはできない。禁止されている。

合言葉にするまでもありませんが・・・車間距離、近づき過ぎたら、はい!禁止

車間理者

⇒ 練習問題

分別管理について、自分のモノとお客さまのモノを一緒にしない

金融商品取引業者は、財布を2つ持っていることになります。自分の財布とお客さまから預かったものを入れる財布です。

自分の財布の中身で生活できなくなったら・・・お客さまから預かった財布から「ちょっと使うね」なんてことは、とんでもないことです。

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※ただし、例外規定があります。複雑過ぎて困ってしまいますが・・・(笑)
取引の相手が、第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者だったり、登録金融機関、適格機関投資家など一定の者が相手の場合は、適用除外とされています。

それと、金融商品取引業者は善管注意義務をもって有価証券等管理業務を行う必要があります。当たり前の話です。

⇒ 練習問題

担保(貸付)同意書の徴求は、書面でもらう(電子的方法も可)

この書面でもらう、という発想は大丈夫ですね。人間の記憶はあいまいです。後日、言ったの・言わないの、というトラブルにもなりかねませんから。

金融商品取引業者側もそうですが、お互いのリスク管理のためにもなります。

⇒ 練習問題

名義貸しの禁止

名義貸しに関しての禁止項目は、(練習問題を)読んでみて「だよね。なるほど、当たり前の話だね」と理解できれば大丈夫です。

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実際には、病院にドクターはいないのに、ドクターの名前だけ借りて(医師免許証を掲載して)、別の人が医療行為をする、なんて話(名義借り・名義貸し)はとんでもないことですね。

⇒ 練習問題

回転売買の禁止

回転売買・・・頻繁に売買を行うことですが、誰にとっていちばんメリットがあるでしょうか?
売ったり、買ったり・・・手数料が発生します。お客さまが儲けようが、損しようが、金融商品取引業者側は確実に手数料収入が入ります。

ですから、お客さまの了承なしに無理強いしてはいけませんよ、ということですね。

それで、(外務員は・金融商品取引業者は)ちゃんと確認しなさいよ、ということです。
確認しなければ、お客さまの意思なのか、業者側が無理やり(騙して)させているのか区別がつきませんね。

⇒ 練習問題

過当な引受け競争の禁止

これは下の問題文を読んで(投資家保護・お客さま保護の観点から)、当たり前だよね、と理解できれば十分です。

・金融商品取引業者が引受けに関する自己取引上の地位を維持し、又は有利にさせるため、著しく不適当と認められる数量、価格その他の条件により有価証券の引受けを行うことは禁じられている。・・・○か×か?・・・○・・・正解

ピンとこない人は、次のように考えてください。登場人物は、金融商品取引業者と有価証券を発行する会社です。
どっちが引受けを依頼する方ですか?・・・有価証券を発行する会社ですね。引受ける方が金融商品取引業者です。

もっと例えると、有価証券を発行する会社=メーカー、引受ける会社・金融商品取引業者=卸売業者、私たち消費者が一般の投資家と考えましょう。

商品を製造したメーカーは、できれば高い値段で卸売業者に買って欲しいものです。でも、メーカーと一緒になって卸売業者(ここでは金融商品取引業者)が、著しく不適当と認められる数量、価格その他の条件でなら買いますよ、となれば、そのしわ寄せは、どこに行くのでしょう?

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そうですね。私たち消費者(投資家)が、その分、高い値段で商品を買わされることになりますね。弱い立場、守られるべき立場の私たちが保護される必要があるのは納得できますね。
ちょっとしたサンプルで考えると、すぐにおかしいところが理解できます。

⇒ 練習問題

特別の利益提供の禁止

銀行や郵便局などで、ボーナス預金(貯金)で、○○プレゼント!というようなキャンペーンをやっています。
この手のサービスや贈答品(景品)などは常識の範囲内ですが、これが逸脱したようなものだと考えてください。

サービス合戦になれば大変です。正常な競争社会の姿ではなくなります。(公正・公平とか健全とかいう言葉からほど遠い世界になってしまいます)

※約束してもダメ、もちろん提供してもダメ、ということです。

もちろん、ここでいうところの「特別の利益」とは、私たちが社会通念上、考えているサービスといったものは除かれます。

⇒ 練習問題

大量推奨販売の禁止

特定かつ少数の銘柄について、不特定多数の顧客に対して、買付け又は売付けもしくはその委託等を一定期間継続して、一斉かつ過度に勧誘する行為で、公正な価格形成を損なうおそれがあるものを行うことは禁止されています。

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相場操縦につながる可能性があります。

たとえば金融商品取引業者が、自分のところで大量に所有している銘柄を売りさばいて利益を出そうといったこともできてしまいます。

ですから、特にその銘柄が、その金融商品取引業者が保有している有価証券である場合には厳しく禁止されるのです。

⇒ 練習問題

法人関係情報の提供による勧誘の禁止

練習問題の問題文を読んでみて、だよね、と理解できたら大丈夫です。

任○堂のポ○モンGOの配信がいよいよ日本でも始まるそうですよ、なんてことを事前にお客さまに伝えて勧誘したら・・・インサイダー情報を漏らすようなものです。

⇒ 練習問題

インサイダー取引注文の受託の禁止

インサイダーとは、部内者、内部の事情に通じている人のことです。そこから・・・
たとえばA社に勤務するBさんが、A社の秘密事項を知っていて(未発表・未公表)、A社の株式を売ったり・買ったりするようなことをインサイダー取引といいます。

金融商品取引業者として、そんなA社に勤務するBさんの取引に(インサイダー取引だと知っていながら)加担する行為はダメですよ、ということです。

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専門的な(証券外務員試験的な)言い方にすると・・・
顧客の取引がインサイダー取引であることを知りながら、あるいはそのおそれがあることを知りながら、売買取引の相手方となり、又は取引の受託をすることは、禁止されている、ということです。

⇒ 練習問題

まとめ

ここまでいくつかサンプル的な事例もまじえながら説明しました。
繰り返しますが金融商品取引法の趣旨・目的の一つに顧客保護がありました。

顧客(お客さま・投資家)目線です。実際の試験問題に当たる時はどうぞ常識的な発想をしてください。
自然体でも十分にある程度までは得点可能です。

練習問題はエクササイズだと思って、どうぞチャレンジしてみてください。「山」といったら「川」。「ニッポン」といったら「チャ・チャ・チャ!」というくらい、決まり文句になるような感じまで記憶にに刻みつけることを工夫してみてください。

「○○は、○△の時は、△□である。○(マル)!」と反応できるくらいに、早口で繰り返し・繰り返し黙読したり、スマホなどのアプリ(ボイスメモなど)で自分の声を録音して聞き流す形などでスキマ時間を有効活用するなどいろいろと工夫されることをお薦めいたします。

怒られるかも知れませんが、外務員試験に合格するまでの勝負です。7割で合格点です。
後は、試験に合格してからまた勉強してください。もちろん実務でも勉強できます。まずは外務員試験合格!です。