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外務員試験で「取引所定款・諸規則」のウエイトはそこまで大きくはありませんが、この有価証券というテーマは重要度大です。有価証券について、取引所との関係においての学習です。きっちりと押さえてください。

有価証券の上場

上場するということは、非常に信用力がある、ということです。よく、一部上場企業、というフレーズを聞いたりしますね。就活の時に意識する学生さんたちもいます。

上場対象となる有価証券

金融商品取引法上の有価証券に限られます。ということは、同じ有価証券でも、小切手とか約束手形は含まれない、ということです。

具体的には(東京証券取引所の場合)、券、債証券、方債証券、社券、換社債型新株予約権付社債券、株予約権証券、動産投資信託証券、ETFといったものがありますが、こっちは覚えなくてもいいと思います。
小切手と約束手形が入らない、という方を覚えておいた方が楽です。

もし、覚えて(記憶の片隅に入れて)おきたい、という時は合言葉で入れておきましょう。

合言葉 (上場できるの)括弧小さい転身ブーET野郎、でいかがでしょうか。

先ほどの8つの単語の頭文字を中心にひろったものです。

上場審査

上場審査は、あくまでも会社側からの申請に基づいての審査です。勝手に取引所側が審査することはありません。

形式基準と、それをクリアしている株券の発行者(企業・会社)に対して、収益性、健全性、内部管理体制の有効性、開示の適正性などが審査されます。

上場されている銘柄には、下のような基準に応じて、一部上場、二部上場という分類があります。(その銘柄の会社・企業を、一部上場企業とか、二部上場企業といったりします)

上場審査 第一部指定基準 第二部指定基準
株主数 株主数
(株式数とも表示される)
株主数
(株式数とも表示される)
流通株式 流通株式
(等がついています)
流通株式
時価総額 時価総額 時価総額
事業継続年数
純資産の額 純資産の額
単元株式数
株券の種類
株式の譲渡制限
その他
売買高 売買高
利益の額又は時価総額 債務超過
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一番右側の(赤色の)5つの単語は、頭に入れておいてください。
一部の銘柄が、5つの基準に、一つでも該当した場合は、二部に(市場第二部銘柄に)指定替えされます。

また、一部の銘柄が半永久的にずっと一部銘柄のままか、というのもあり得ません。5つの基準に該当すれば、二部に指定替えです。

あとは、二部を経由しなければ、一部に上場できないか、というとそうでもありません。直接、一部銘柄として指定されることもあります。

※外国株券等の場合・・・(上場審査は)内国株券等の基準を元に、外国のものだという特有の性質を配慮して、本国等における法制度や実務慣行等を勘案して行われる。

あと一つ・・・
※既に取引所に上場されている株券等の発行者が、同一種類の株券等を新たに発行する場合には、原則として、上場を承認する、ものとされている。

上場廃止基準

審査OKで上場されても、当然(一部から二部への指定替えがあったように)上場廃止もあります。

株式、債券、転換社債型新株予約権付社債券、優先株等といった区分でそれぞれ決められています。審査基準にいろいろとあったように、廃止基準も決められているということです。

株式だと・・・たとえば、株主数、売買高、時価総額・・・債務超過、銀行取引停止、破産手続、再生手続又は更生手続き、反社会的勢力の関与・・・などです。

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次の単語も覚えておいてください。上場銘柄 ⇒ 監理銘柄 ⇒ 整理銘柄 です。

(管理ではありません)監理です。管理銘柄とは・・・1.上場廃止基準に該当するおそれがある場合、2.上場廃止申請が行われた場合
これは、その事実を投資者に周知させるためです。「今のうちに注意してね。買うと痛い目に合うかも知れませんよ」というようなものですね。これは、一定期間、(取引所が)指定します。

整理銘柄とは・・・上場廃止が決定された場合です。上場廃止の前日まで指定されます。

その他商品の上場

優先株等の上場

優先株とは・・・普通の株式と比べて、1.優先的に配当を受けることができる、2.会社が解散した時に、残余財産を優先的に受け取ることができる、ただし、3.経営に参加する権利(議決権)が制限されている、というものです。

さらに、優先株等とありますから、「等」ですから、詳しくみると、非参加型優先株、子会社連動配当株、というのがそれに該当します。(この非参加型というのは、参加型という優先株ではない、という概念です。あまり詳しくみると混乱しますので、簡単にいうと・・・参加型は、優先株の配当の他に、普通株式からの配当も受けられます。でも、非参加型は、優先株からの配当のみで、普通株式からの配当は受けられない、というものです)

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優先株等の形式基準の1つに、
発行者が普通株(議決権付株式)を上場していること、があります。

また、廃止基準も、発行する普通株が上場廃止基準に該当した場合も、当然に上場廃止となります。

これ大丈夫ですね。

債券の上場

債券の上場も、基本的には、発行者からの申請で審査される形ですが、国債証券については、発行者からの申請がなくても上場できる、とされています。

国が発行するヤツですから・・・当然でしょうね。

転換社債型新株予約権付社債券の上場

転換社債型新株予約権付社債券だから、特別に変わった手続きが必要だ、というわけではありません。
債券と一緒です。上場申請があってはじめて審査されます。

もちろん、審査の基準は、発行者に対しての審査基準、上場申請銘柄に対しての審査基準に基づいて審査されて、上場が決定される、という流れになります。

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すでに株券が発行されている会社の発行する、転換社債型新株予約権付社債券だから、上場審査がない、ということではありません。同じように審査される、ということです。

すでに上場されている株券等の発行者が、同じものを発行する場合は、原則として上場を承認する、とありましたね。
この転換社債型新株予約権付社債券は、同じものではないケースになります。

また、上場の基準とともに、当然に上場廃止基準もあります。それぞれ、2つの基準になっています。
発行者に対しての基準と、(上場申請)銘柄そのものに対しての基準、です。

発行者に対する基準 (上場申請)銘柄に対する基準
上場審査基準 当該取引所の上場会社であること 発行額面総額、新株予約権の行使条件が適当でないと認められるものでないこと、その他
上場廃止基準
上場契約の重大な違反又は上場契約の当時者でなくなった場合、発行する株券等が上場廃止基準に該当した場合、その他
※※
上場額面総額、行使期間満了、期限の利益の喪失、その他
※※が該当すると・・・
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※ 全銘柄が上場廃止になります。・・・発行者そのものに対しての廃止基準抵触ですから

※※ 当該銘柄が上場廃止になります。・・・その銘柄だけの抵触ですから、それだけが廃止となります

まとめ

ここまで、いかがだったでしょうか。ゴチャゴチャしていたかも知れません。どうぞ頭の中をもう一度、整理してみてください。

練習問題はボリュームがあります。これでもか、これでもか、というくらいに用意してあります。きっちりとマスターしてください。

⇒ 練習問題



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