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そもそも証券会社とか銀行とか(あるいは信託銀行、保険会社なども含めて)いろんな業態があります。
証券業、銀行業、保険業・・・など業種的に区分されたりもします。

さらに、金融商品取引業という概念まで登場してくると・・・
まあ、このあたりの厳密な区別が外務員試験本番のテスト問題に出題されることはあまりないのですが、整理だけはしておきたいと思います。

証券取引法から金融商品取引法へと進化・発展

もともと証券会社が(証券取引法のもとで)証券業という業務を行っていたのです。

証券取引法 → 金融商品取引法 ・・・ 証券業 → 金融商品取引業 というわけです。

ですから一般的には金融商品取引業者といえば、証券会社のことをイメージします。(大きなところでは)それで間違いありません。
ただ、この金融商品取引業者は、登録制なのです。

登録制とは・・・要件を備えたものが申請すれば誰でも登録を受けられる

次の点だけは覚えておきましょう。

外務員試験のポイント

  • 内閣総理大臣登録を受ければ金融商品取引業を営むことができる
  • 登録制なので・・・一定の要件さえ備えておけば、誰でもOKとなる
  • ※例外的に拒否事由はある

これだけ抑えておけば大丈夫です。
次は、第一種と第二種についての違いをみておきましょう。
難しく捉えることなく簡単に考えてください。

一種?とは 二種?とは
野球 一軍
(二軍より上)
二軍
タクシーの免許 一種免許
普通の免許
二種免許
タクシーの運転もできる



金融商品取引法での第一種金融商品取引業と、第二種金融商品取引業では、一軍二軍とか、逆に(二種免許の方がより職業的な範囲の広がる)一種免許・二種免許と、どちらと同じようなものだと思いますか。

実は・・・全然別ものだと認識してください。一種だからどうだ、とか逆に二種だからどうだ、ということは、ない!ということです。
業務内容が違うのです。世界が違うのです。

詳しくは金融商品取引法の試験範囲で触れたいと思います。ただ、合計4つの業があるということだけは理解しておいてください。

証券市場の基礎的な範囲でもう一つ覚えておいて欲しいのが、いろいろな機関についての知識です。

証券市場の主な関係機関・・・いわゆる市場の登場人物なるもの

昔は、大蔵省というのがありました。銀行に勤務していると何年かに一回は大蔵省の検査(俗に言う、くらけん)を受けるものでした。
今では、大蔵省が財務省に変わり、銀行や証券会社に関係するのは財務省の中の金融庁というところになりました。

その金融庁の中に、「証券取引等監視委員会」というセクションがあります。まさに、(お上の視点から)監視するところです。
それこそ昔、証券会社で損失補填(ほてん)という不祥事が相次いで発覚したことがあります。それからだいぶ厳しく行政の指導強化が図られました。

マーケット関連で商売をする時に、規制されることになったのです。大きく2つの規制があります。
公的規制と自主規制です。

前者は法律に基づいて行政が強い権限のもと規制するもので、後者は(いわば)業界団体側が自分たちでルールを決めてそれを守りましょうというような規制のやり方です。いちおう頭に入れておいてください。

公的規制 自主規制
金融庁
(証券取引等監視委員会)
・金融商品取引所(それぞれの金融商品取引所です)
・日本証券業協会
・投資信託協会

証券取引等監視委員会で覚えておきたいポイント

強い権限を持っています。
インサイダー取引、損失補填、相場操縦など公正を損なう行為について強制調査権あり
・(自主規制、自主規制機関における自分たちで決めた取引ルールの)遵守状況を監視するための立入検査権もあり
・違反者を当局へ告発する

覚えておきたい市場(マーケット)関連のいろんな機関

証券保管振替機構のポイント

昔、ほふりと呼ばれていました。ネット環境で検索してみることもお薦めします。
キーワードに、ほふり、または証券保管振替機構と入力して検索してみてください。

要は、株券などの現物を廃止して電子化という流れの中で、決済・管理などを集中的に行う専門の証券決済機関です、ということになります。
流通の円滑化や発行側にとっての発行コスト削減などに大きく貢献している制度・機関です。

あと一つ、株式等の配当金の支払において・・・
①全銘柄の配当金を同一の預金口座で受け取る、か
②証券会社(金融商品取引業者)を通じて配当金を受領するか、を選択することが可能となっています。

投資者保護基金のポイント

投資者保護の観点からの仕組みです。投資者が利用している金融商品取引業者が破綻した場合に、顧客(投資者)が被る損失を補償するための仕組みです。

具体的には、金融商品取引業者に預けている金銭や有価証券等が対象です。

補償限度額は、一人当たり1,000万円です。

証券金融会社のポイント

証券金融会社は株式会社です。そして、日本においては2つしかありません。(資本金1億円以上です)
日本証券金融と中部証券金融、の2つです。

外務員試験での株式業務において学習しますが、信用取引という概念があります。その信用取引で登場してくる単語です。
ひとことでいうと、信用取引等において決済する時に必要な資金や株券(金銭または有価証券)を貸し付ける業務がメインの業務です。

内閣総理大臣の免許を受けた証券金融専門の会社(株式会社)だということになります。

日本銀行について

日本銀行については3つの機能と3つの政策を頭に入れておいてください。

3つの機能 3つの政策
1.発券銀行・・・日銀券いわゆるお札を発行する
2.銀行(の中)の銀行・・・金融機関との取引(預金・貸出)
3.政府の銀行・・・国庫事務、国債発行、外為の業務
・政策金利操作(旧公定歩合の操作)・・・民間金融機関への貸出金利の操作
・公開市場操作(オペレーション)・・・債権・手形の売買を通して資金過不足を調節、市場金利に影響を与える
・預金準備率操作・・・金融機関の支払準備の増減で貸出に影響を与える

日本銀行は、政府から独立した機関です。日本銀行の活動目的は
・通貨及び金融の調節を行うことで、物価安定、国民経済の健全な発展に資する、ということ
・決済システムの円滑・安定的な運行確保して、金融システムの安定に資する、ということです。

外務員試験のテスト勉強としては、完璧に覚える必要まではありませんが、穴埋めなどの問題が出題された時には何となく解答例から、これが正しい・間違っていると判断できる程度には頭に入れておいてください。

まとめ

3回にわたって金融市場の基礎知識について学習しました。ぜひ、1、2回めの学習内容についても復習してください。

ポイントとして、投資者保護(投資者保護と預金者保護との違い)と、自己責任原則について思い返しておいてください。