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時間外労働、つきあい残業、パワハラ(パワーハラスメント)、帰りたいけど帰れない・・・

昔は、銀行員は帰りが遅い、まるで母子家庭のように、子どもがお父さん(銀行員)と顔を合わせる時間がない、なんてことが言われていました。たまの休みもゴルフに、お客さまとのお付き合い(イベント・行事)・・・

今では禁句になっていますが、昔はテレビCMで、「24時間戦えますか?」という栄養ドリンクのフレーズがありました。激烈、モーレツ、ビジネスマン・サラリーマンの代名詞的にみんな口にしていたものです。

昭和57年に入行した我輩の時代の銀行

残業が当たり前の時代でした。日常的な業務もですが外部検査などが飛び込んでくると・・・それこそ徹夜したりして書類を仕上げたことも多々あります。ほんと今では、機械化の進展でそこまでしなくても資料作成ができる時代だとは思います。

ほんの20、30年前までは(今の人たちからみると)とんでもない時代だったのでしょうね。我輩は父親も銀行員でした。さらにひと昔、ふた昔前の世代です。年末、大晦日の時は紅白歌合戦が終わる頃(下手すると日付が変わる頃)、帰ってくる、という時代だったようです。でも、それが当たり前、だったのですね。

戦時中の欲しがりません勝つまでは、的な世界です。

銀行に入行してしばらくすると・・・土曜日出勤(半日)が、隔週週休二日になり、それから完全週休二日になりました。土日休みの身体的なくせ(習慣)が付くとダメですね。すぐに身体が順応してしまい、休日出勤があると負荷がとんでもなく大変なものに感じたものです。

週に一回は、ノー残業デーというのもありましたが、基本、遅いのが普通でした。毎晩、9時、10時、11時で・・・金曜の週末など、ウサ晴らしも兼ねて真夜中から仕事仲間・部下行員と居酒屋に飲みに行く、というようなとんでもないこともやったりしてました。

なんと我輩は、昭和の歌姫、美空ひばりが亡くなったニュースを、明け方居酒屋で聞いたものです。確か、AM5時頃でした。
今考えると、凄い生活をしていたみたいです。家族もそれが当たり前の時代、でした。

(心の中では)不平・不満があったのかも知れませんが、みんな当たり前のように感じていましたね。ほんと、そんな時代だったのです。

きっちりとなった時間外労働

やがて・・・個人の権利と組織の義務といった観点からどんどんチェックが厳しくなっていきます。働く側にとってはありがたいことです。

サービス残業などはもってのほか、ということになりました。というか、当たり前のことを当たり前のようにやる、時代になったということでしょうね。
セクハラ、パワハラ、という言葉がマスコミや日常的な世界で飛び交うようにもなりました。心の病的な感じで戦線離脱に追い込まれる人も増えてきたのかも知れません。

やがて・・・ブラック企業という単語も登場するようになります。会社側にとっては風評リスクでもあります。社会的信用のあるべき銀行・金融機関がとんでもない職場・環境だとなれば、マスコミからもたたかれます。格好の題材になります。

では、すべてが万々歳の時代になったのか?と言えば、必ずしもそうでもありません。
何といってもやるべきことが増えたからです。昔と比べたらとんでもないくらいに取り扱う商品の数が増えているからです。

ガイド案内

もし、自分の職場はそんな(組織が配慮してくれているというような)ことはない、遅い環境にあるし、時間外もそれほど厳格ではない、という時には、周囲や組合などにも確認したり問い合わせをしたりされることをお薦めします。

同じ支店であっても、係が違えば(時間外勤務表に印鑑を押す上司が違ってくれば)、対処の仕方が全く違っていたりしまから。

やるコト多くて帰れない・・・目標(ノルマ)もあるし・・・

昔の銀行は、少なくとも我輩が入行した当時は、夏と冬に(夏のボーナス時期と冬のボーナス時期に)、預貯金の勧誘がノルマ(目標)として存在するくらいでした。

当時は、給与振込も現金支給という会社もたくさんありました。まして、ボーナスは(社長さんから確実に手渡しすることから)現金支給というのが当たり前の時代でもありました。

やがて・・・だんだんと給与振込が当たり前になっていきます。公務員の方々の振込口座獲得運動なども一生懸命にやらされました。当たり前の時代でした。

年に2回のボーナス運動、だけが目標でした。それが・・・

国債を販売するようになり、カードローンを売るようになり、年金保険のような金融商品を売るようになり、やがてはローンが主力商品となり、さらには(金融機関同士の垣根が低くなることで)今でいう、金融商品がどんどんどんどん誕生・登場してくるようになるのです。

そして1人1台という感じでPCが与えられ、行動記録や営業実績など徹底的に管理されるようになったのです。

その一方では、収益確保の観点から⇒人件費削減⇒時間外給与の削減⇒早帰り、となっていきます。
どんどん登場する新商品は、いつ覚えるの?、の世界です。

さらに、検定試験や資格試験の取得もどんどん厳しくなっていきます。
そう思うと、今の人たちは大変ですね。二律背反的な世界が求められているような感じです。

※二律背反的・・・本を閉じながら、開けなさい!というようなもの。

休日返上で、あるいは営業室内に入室せずに、(自主的に)勉強会を開いたりしている方も多いかも知れませんね。新商品の売込みのための会議、報告・反省会など次から次へとやることが増えていきます。

私も、昔、自分と同じ人間があと3人欲しい、なんてことを思ったりしていました。
事務面含めて仕事をする私、営業をする私、私人として遊んだり家族サービスしたり休んだりする私・・・

定年退職した今となっては遠い昔のことのように思えますが、そんなに時間は経過していないのです。それだけ身近に感じてしまいます。どうぞ身体を壊すようなことにだけは、ならないようにしてください。

まとめ

たぶんに、金融機関を取り巻く状況は(これからも)どんどん進化・発展・変化していくと思います。ただ、古き良き時代に戻る、なんてことはあり得ないでしょうね。
高度化した人間社会においては、商品も技術も仕組みも複雑に、より高度になっていきます。金融商品だけに限ったことではないかも知れませんが、次から次へと新商品が誕生してきます。当たり前のように品揃えとして登場してきます。

となると・・・やはり・・・ずっと勉強です。

外務員の資格を持っている限りは、金融機関に勤めている限りは、生活するために給与をもらう限りは、勉強が終着することはないのでしょうね。

老婆心ながら・・・ただし、すべての基本は自分の身体です。健康です。健全な精神です。そして、自分自身の人生だということです。どうぞ自分自身を大切にしながら、折り合いをつけてください。
自分で自分にご褒美などをあげてください。

目標が達成できなくて本当に真剣に悩む人がいます。そうかと思うと、目標達成できなくても(見た目)何とも思っていない、感じていないような人も存在します。そんな人たちが同じ環境にいるのが、職場です。

職場の基準、決まりは(基本的には)一種類です。あとはその応用で個々人ごとに、個別の対応で組織の運営がなされています。自分のことが一番分かっているのは自分自身です。

外務員資格試験の勉強の時に学んだと思いますが、自己責任の原則です。自分の身体も同じように自己責任でフォローしてあげてください。


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